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不動産豆知識【住宅ローンの返済方式の元利均等と元金均等】

 前回は“金銭消費貸借契約”のお話しをしたけど、その時にも説明がある、“元利均等”と“元金均等”、似たような感じでわかりにくいわね。一般の方はその場だけでわかればいいから覚える必要はないけど、不動産営業をやってる方はちゃんと説明ができなければダメよ。ローンのことだから、「詳しくは金融機関の担当者に聞いて下さい」では営業失格ね。不動産営業は不動産のことだけでなく、金融、経済、法律、税金のことなど、不動産に絡むことは幅広く知っておく必要があるわ。

 前置きが長くなったけど、わかりやすく説明するわよ。まずは、“元利均等”だけど、この言葉が略語になってるからややこしいのよ。しかも略している前後がバラバラだから余計とややこしくなってるわね。“元”は“元金”、“利”は“金利”のことよ。だから、“元金”と“金利”を合わせた支払いが均等、つまり、ずっと固定金利だとした場合、ずっと支払い額は同じってことよ。気づいた方はするどい!そう、おかしいわよね、毎月返済していくと元金は減っていくのに支払い額が同じってのは。騙されてる?ひっかけ問題みたいだけど、さっきの説明の『合わせた支払いが均等』にスポットを当てて見て。“元金”が均等、“金利”が均等とは書いてないわよね。『合わせた』って書いてるでしょ。そうするとわかるでしょ、最初の方は支払い額の内、金利の支払いの割合が多いわけね。それから、元金が減っていくと、金利が締める割合が減っていって、いつかは逆転することになるのよ。だから、最初の方は一生懸命に支払いをしても金利分に取られちゃって元金がなかなか減らないのよ。『なんかそれってどうよ』って思う方もいるかしら。いいところは、支払い額が変わらないから安心ってところね。だから、一般的には、“元利均等”を選ぶ方が多いわよね。

 次に、“元金均等”これは読んで字のごとくね。元金の返済がずっと変わらないってことよ。さっきの“元利均等”の場合だと、最初の方の元金の減りが少なくて、金利の支払いが多いって説明したけど、“元金均等”の場合、元金も金利も最初の方支払いが多くなるのよ。だけど、ずっと同じペースで元金が減っていくとどうなると思う。そうなのよ、元金に対して金利の支払いが発生するから、元金が減ると金利の支払いは減るわよね。つまり、最初の方は全体の支払い額は多いけど、金利分の支払いが減っていくので、だんだんと全体の支払いも減っていくわけね。そして、早い内に元金を多く返済するのだから、トータルの支払い額は“元金均等”の方が少なくなるわね。『たくさんの金利を払うのがもったいない』と思う人はこちらを選ぶかしら。だけど、最初の支払い額が多くてしんどいから、“元金均等”を選ぶ方は非常に少ないわね。人生で例えるなら、最初は一生懸命頑張って苦しいけど、だんだんそれが報われて幸せになるって感じかしら。ちなみにあたしは、不動産営業歴22年だけど、”元金均等“を選んだお客さんは一人だけだったと記憶してるかしら。

 結局のところ、”元利均等“と”元金均等“のどっちがいいかはあなた次第ね。

 

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